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オブザーバビリティ(Observability)とは

オブザーバビリティ

オブザーバビリティ(Observability)とは、システムの内部状態を外部からの観測で理解できる性質を指します。これは、システムが出力する外部からの観測可能なデータ(ログなど)を収集・分析することで、システムの動作を把握し、問題の特定や性能の最適化を行うための重要な概念です。

オブザーバビリティの主な目的と利点は以下の通りです:

1. システムの可視化:複雑なシステムの内部動作を可視化し、理解を容易にします。

2. 問題の迅速な特定と解決:異常動作やパフォーマンスの問題を迅速に検知し、根本原因を特定して解決に導きます。

3. パフォーマンスの最適化:システムのボトルネックや非効率な部分を特定し、パフォーマンスの最適化を図ります。

4. 事後分析と学習:問題が発生した際の状況を事後的に分析し、再発防止や改善につなげます。

5. ビジネスインサイトの獲得:システムの動作と、ユーザー行動やビジネス指標との関連性を把握し、ビジネス上の意思決定に活かします。

オブザーバビリティを実現するためには、以下の3つの主要な要素(三本柱)が必要とされます:

1. メトリクス(Metrics):システムの状態を数値化したもの。例えば、応答時間、エラー率、リソース使用率など。時系列データとして収集・分析されます。

2. ログ(Logs):システムが出力するテキストデータ。アプリケーションログ、アクセスログ、エラーログなどがあります。構造化されていないデータを含みます。

3. トレース(Traces):リクエストがシステム内を通過する過程を記録したもの。マイクロサービスアーキテクチャにおいて、サービス間の呼び出しの流れを追跡するのに役立ちます。